例文と組み立て方
作文やレポート、あるいは面接で看護観を問われますが、「あなたの看護観を教えてください」という質問以外にも、「看護をする上で大切にしていることは何ですか」「これまでに印象に残ったエピソードは何ですか」といった質問も、自分の看護観を伝えられる質問です。ここでは、看護観の組み立て方や例文を紹介していきます。
組み立て方のコツ
看護観を答える際には、「結論」「エピソード」「締め」の順番で答えましょう。最初に結論として「自分が何を大切にして看護をしているのか」を答えます。これは人によって異なりますが、「患者さんの気持ちに寄り添った看護」「患者さんとの信頼関係を構築した上で安心感を与える看護」「患者さんとそのご家族を含めた包括的な看護」などが代表的な例として挙げられます。また、転職先の理念や方針に沿った看護観を答えられると、好印象を与えることができます。
次に、自分の看護観にまつわる具体的なエピソードを述べていきます。意識すべきなのは「簡潔さ」です。アピールしたいという気持ちが強すぎるがゆえに長くなりすぎると、内容がぼやけてしまいます。
最後に、仕事に取り組む姿勢を伝えて締めましょう。自分の持つ看護観を活かしながら、長期的に活躍していきたい旨を伝えてください。
例文
二次救急から三次救急に転職する場合の例文を紹介します。
例文「これまで二次救急の脳外科病棟で3年間勤務していました。私は、治療が最優先とされる急性期の場面においても、患者さんとそのご家族の気持ちに寄り添うことを意識しています。脳外科病棟に入院される方は重症度が高く治療が優先されますが、それゆえに患者さんとご家族の気持ちが追い付かないまま治療が進められるケースも多いです。突然のことで気持ちが追い付いていない方に対し、具体的な治療内容や今後の方針を分かりやすく説明し、可能な限り安心してもらう必要があると感じています。そのためには専門的な知識やスキルが必要であると考え、普段から研修やセミナーへ積極的に参加してきました。今後は、急性・重症患者看護に関する専門資格の取得を考えています。貴院でより専門性を高め、患者さんとご家族に寄り添った看護を提供していきたいと思います」
理念や方針を確認しておく
応募先のホームページやパンフレットを確認して、応募先の職場が掲げている理念や方針を確認しましょう。応募先の理念や方針に無理やり自分の看護観を当てはめる必要はありませんが、近い部分があるなら組み込んでください。逆に、自分の考えとまったく違う内容であれば長く働き続けることは難しいので、応募を考え直したほうがいいでしょう。