今後の日本において求められる看護師の役割や看護観

期待される役割

看護師は今の日本において特に必要とされている仕事です。その理由について、日本を取り巻く現状と比較しながら紹介していきます。今後、看護師にはどのような役割が期待されるのでしょうか。

期待される役割

日本の現状と今後

報道でもよく見るように、日本の少子高齢化とそれに伴う社会保障費の増加は社会問題となっています。社会保障費とは、我々の生活を支えるために使われる費用のことで、税金でまかなわれており、医療・介護の分野にも多く割かれています。昔は家庭内で育児や介護が完結していましたが、近年は女性の社会進出や核家族化が進んだために、家庭内だけで育児や介護を行うのが難しい状況となりました。それに加えて、医療保険料や介護保険料が増加しています。少子化が進行することで労働力が減り、不景気になることで国に納められる税金も減っていきます。税金が減ると、社会保障に利用できる予算が少なくなります。
このような状況下で、日本は超高齢化社会に突入しました。65歳の高齢者の割合は全体の4分の1以上となりました。以前までは家族が最期を看取るケースが多かったのですが、現在は8割以上の人が病院で息を引き取っています。つまり、それだけ病院を必要とする人が増えているのです。そのため、可能な限り医療費を抑えるために、国は病床の機能分化を推進しています。病床の機能分化とは、「急性期」「回復期」など病院の機能を細分化することです。その上で、看護師の人数を機能に応じて決定していきます。また、自宅での療養が可能となるように在宅医療の充実も図っています。
看護師の多くが働いている病院は国の方針に沿った形で運営されています。医療技術の進化は日進月歩であり、多くの人が長生きできるようになった一方で、以前までは入院治療でしか対処できなかった病気を抱えながら退院する人も増えているため、病院以外の場所で活躍する看護師が求められるようになっていくでしょう。

日本の現状と今後

予防のための取り組み

看護師の仕事は治療が必要になった人に行う処置だけではありません。昔と比べて生活習慣病を抱える人が増えたため、病気にならないように予防する取り組みが求められています。病気の可能性を見極めて生活習慣の改善を行うためには、健康診断を行う必要があります。そこで、予防や早期発見のために活躍する看護師の必要性が高まっています。例え癌になったとしても、早期に発見して適切な処置をすれば通常の生活に戻ることができます。病気の予防と早期発見は、今後の医療における重要な役割を担います。
以下に、これからの看護師に求められる役割や看護観を学べる書籍を3冊紹介しますので、ぜひ参考にしてください。

予防のための取り組み
看護観とは?