理想像を聞かれた場合の回答
看護師としての理想像はそれぞれで異なるかと思います。ここでは、多くの看護師が理想とする内容ごとに、回答のコツを紹介していきます。
患者さんごとの個別性に沿った看護
患者さんの状態に応じた個別性のある看護を重視する場合は、患者さんが抱えている病気だけではなく、患者さんごとに異なる背景を視野に入れる必要があります。背景とは、家族関係や仕事、経済面、社会的立場などのことです。この部分を理解していなければ、個別性のある看護はできません。「個別性に沿った看護」と一口に言っても伝わらないので、どのように実践していくかを具体的に提示しましょう。
例文「以前の職場は入院期間の短い患者さんが多かったため、個別性に沿った看護ができないもどかしさがありました。貴院は入院期間の長い患者さんの受け入れを行っているため、細かく目を配り、患者さんの声に耳を傾けることで、相手を深く理解した個別性に沿う看護の提供を行っていけると考えています」
ワークライフバランスを保つ
復職を考えている看護師の場合、ワークライフバランスが重要な項目となるでしょう。家庭と仕事の両立を目指すことを明言した上で、決して仕事を疎かにするわけではないことを伝えてください。
例文「できれば定年まで看護師として働きたいと考えています。そこで、家庭と仕事が両立できるように勤務形態を調整し、ワークライフバランスを保ちながら現場で長く活躍していきたいです」
患者さんに寄り沿った看護
患者さんに寄り添った看護は、ある意味看護師として当然のことかもしれません。しかし、どのような看護が本当の意味で寄り添った看護なのかについて、正解があるわけではありません。大切なのは「自分なりの寄り添い方」を伝えることです。例えば、「患者さんの立場になって接する」という看護観を大事にしたい場合の例文を紹介します。
例文「忙しい業務の中でも、患者さんの立場になって考えることを忘れないようにしています。病気の説明をする時、治療を開始する時、退院が決まった時、患者さんはどのような気持ちになり、どのような不安を抱えているのだろうかと考え、相手に寄り添った看護を行っていきたいと考えています」
周囲に安心感を与える存在
どのような場面でも、優しく穏やかな対応ができる看護師に憧れる人は多いかと思います。患者さんの情報収集が上手い先輩看護師を思い浮かべてみてください。その先輩は、患者さんに対していつも優しい対応をしているかと思います。
例文「私が尊敬している先輩看護師は、患者さんだけではなくそのご家族や周囲のスタッフに対しても穏やかな対応をしており、いつも周囲の人間に安心感を与えています。私自身、その先輩には何度も助けられた経験があります。私も先輩と同じように、周囲に安心感を与えられるような存在になりたいと考えています」