看護観を自分なりに考える

自分の看護観について

転職時の面接や就業後の教育研修などで、自身の看護観について作文やレポートを提出する機会があります。看護観を考えるにあたって押さえておくべきポイントを紹介していきますので参考にしてください。

自分の看護観について

看護の定義とは

まずは看護の定義を知りましょう。有名なナイチンゲールは、看護とは「すべての患者さんに対して生命力の消耗を最小限にするように働きかけること」と定義しています。また、看護理論家のヴァージニア・ヘンダーソンは、看護とは「様々な諸活動において健康・不健康を問わず患者さんの健康維持・回復を担う諸活動である」としています。このように看護の定義は人によって異なるため、統一された意味を持つものではありません。あえて包括的な定義を挙げるとすれば、病棟においては「患者さんが元の生活ができるレベルに回復するように援助すること」でしょうか。

看護の定義とは

看護観はそれぞれで異なる

看護観とは、それぞれが持つ看護に対する考え方のことです。例えば、「思いやりの心を持って接する」「相手の立場を尊重して接する」「笑顔を絶やさずに接する」といった考えも看護観に当てはまります。看護観に正解・不正解はありません。なんとなく「こうしたい」と思っていることがあるなら、さらに掘り下げて「なぜそうしたいと思うのか」「具体的にどのように支援していくべきなのか」を考えましょう。そのためには、「なぜ看護師を目指したのか」といった初心を思い出す必要があります。具体的な看護に対する思いを忘れないように、各医療機関は作文やレポートといった形で看護観の提出を求めているのです。

看護観はそれぞれで異なる

具体的な内容を思い出す

漠然とした内容をそのまま自分の看護観として提出しても具体的な思いは伝わりません。具体的な看護観を記載するためには、「なぜ自分は看護師の道を歩んでいるのか」を軸として考えていかなければなりません。その上で、自分の看護観と関連深いエピソードを思い出してみましょう。例えば、「過去に人間の生死に触れる機会があった」「家族に困難や苦悩があった」「患者さんの支援に貢献できた」「同僚の仕事に対する姿勢に感化された」といったエピソードです。

具体的な内容を思い出す

作成時の大まかな流れ

作文やレポートを書く際には文字数が指定されています。様々な構成が考えられますが、基本的には「簡略的な看護観」「経験・事例」「具体的な看護観」「今後の取り組み」の4項目に分けて書くといいでしょう。文字数が多ければ多いほど、この項目を意識したほうが混乱せずに書き進めていくことができます。

作成時の大まかな流れ
看護観とは?